根管治療
- Q根管治療は痛いですか?
- A治療中は局所麻酔を行うため、ほとんど痛みはありません。治療後に軽い痛みや違和感が出る場合もありますが、通常は数日で改善します。
- Q根管治療後はどのくらい持ちますか?
- A適切な治療とメンテナンスを行えば、10年以上持つことも珍しくありません。再発予防には定期的な検診が重要です。
- Q以前治療した歯が再び痛くなりました。再治療は可能ですか?
- Aはい、再根管治療は可能です。ただし、再治療は初回よりも難易度が高いため、CTやマイクロスコープを活用し、精密に対応いたします。
- Q自費治療と保険治療の違いは?
- A使用できる薬剤・器材・治療時間などに大きな違いがあります。再発を防ぎたい方、治療回数を少なくしたい方には自費治療をおすすめします。
歯を残す最後の砦 ─ 根管治療(歯の神経の治療)

「できるだけ自分の歯を残したい」
それは多くの患者さまが持つ共通の願いです。
虫歯が進行して神経にまで達してしまった場合、歯を抜かずに保存するために行うのが「根管治療(歯の根の治療)」です。
根管治療は、歯科治療の中でも最も精密さが求められる難しい分野のひとつです。当院では、保険診療・自費診療いずれにおいても、できる限り再発を防ぎ、長持ちする治療を提供することを目指しています。
根管治療とは?

根管治療とは、虫歯や外傷により細菌感染を起こした歯の神経(歯髄)を取り除き、歯の根の中(根管)をきれいに洗浄・消毒し、すき間なく薬剤で封鎖して再感染を防ぐ処置です。
一見すると治療が終わったように見えても、内部にわずかな細菌が残ると再感染や根尖性歯周炎を引き起こし、再治療や抜歯が必要になることもあります。
そのため、再発させないための精密な治療が重要なのです。
根管治療は、歯科治療の中でも非常に難しい分野の治療です

歯の根管は非常に細く、湾曲していたり枝分かれしていたりと複雑な構造をしています。
しかも、肉眼では確認できないほどの繊細な作業が求められます。
そのため、
目に見えない部分の処置
高度な技術と経験
清潔な環境
が揃ってはじめて、成功率の高い治療が可能となります。
根管治療は「目立たない治療」ですが、歯を残すための最後の砦とも言えるほど重要な治療です。
当院で行う根管治療の特徴(保険診療でも対応)
マイクロスコープ

根管内は非常に細く複雑な構造をしており、肉眼での確認には限界があります。
当院では、視野を最大20倍に拡大できる歯科用マイクロスコープを導入し、必要に応じて保険診療でも使用しています。
これにより、目視では見逃してしまうような細かな根管や破折、感染源を確実に捉えることが可能となり、治療精度の飛躍的な向上と再発防止に大きく貢献します。
メリット
微細な部分まで確認できるため、感染源の取り残しを防げる
再発リスクを低減
精密な処置が可能
治療後の予後が安定しやすい
歯科用CT

根管の構造は人それぞれ異なり、湾曲や枝分かれしていることも珍しくありません。
当院では、3Dで立体的に骨や根管の構造を確認できる歯科用CTを導入し、必要に応じて保険診療でも使用しています。
これにより、従来のレントゲンでは見えにくかった部位も明確に把握でき、診断の精度が高まるとともに、安全な治療計画の立案が可能になります。
メリット
根管の形態を立体的に把握できる
治療の計画立案がより的確に
隠れた病巣や根の破折も見逃しにくい
難症例にも対応可能
ラバーダム防湿

根管治療では、唾液や細菌が根管内に入り込むことを防ぐために、治療部位を隔離する必要があります。
当院では、保険診療でもラバーダム防湿を基本としています。
ラバーダムとは、治療する歯だけを露出させるゴム製のシートで、清潔な治療環境を確保するだけでなく、治療中の誤飲防止にも効果的です。
メリット
治療部位を無菌状態で保持できる
唾液中の細菌の侵入を防ぐ
患者さまの誤飲・誤嚥のリスクを回避
精密な治療が可能
ニッケルチタンファイル

根管内を清掃・形成する器具として、当院では高い柔軟性と耐久性を誇る「ニッケルチタンファイル(Ni-Tiファイル)」を使用しています。
このファイルは、曲がりくねった根管にも追従しやすいため、根管を余計に削ることなく、効率よく感染源を除去することが可能です。
従来のステンレス製ファイルに比べて、根管内へのダメージが少なく、治療の安全性と精度が向上します。
メリット
複雑な形状の根管にも対応
根管を傷つけにくい
治療効率が高く、時間短縮にも寄与
再感染リスクを軽減
超音波洗浄

根管内の洗浄は治療成功のカギを握る重要な工程です。
当院では、保険診療でも超音波を用いた洗浄機器を使用し、細菌や汚れを徹底的に除去します。
超音波の微細な振動によって、通常の洗浄では届きにくい複雑な根管内部まで洗浄液が行き渡り、感染リスクを大幅に低下させることができます。
メリット
根管内の細部まで洗浄可能
感染源を効果的に除去
治療の成功率を向上
再治療のリスクを低減
ファイバーコア

根管治療後に歯の補強として用いられる「土台(コア)」には、当院では審美性と柔軟性に優れた「ファイバーコア」を使用しています。
金属製のコアに比べて、歯根への負担が少なく破折のリスクを軽減します。
また、光を透過する素材であるため、最終的な被せ物もより自然な仕上がりになります。
メリット
審美的で金属アレルギーの心配がない
柔軟性があり、歯根破折を防止
被せ物の適合精度が高くなる
自費診療での根管治療 ─ より高い精度と安心を
当院では、より高精度で再発リスクの少ない治療をご希望の方に向けて、自費による根管治療も行っています。
バイオセラミクス製剤の使用

自費根管治療では、高い殺菌力と封鎖性を兼ね備えたバイオセラミクス系の充填材を使用しています。
この薬剤は濡れた環境でも性能を発揮し、根管内を隙間なく封鎖することで、再感染のリスクを大幅に低減します。
生体親和性も高く、安全性にも優れています。
メリット
高い殺菌効果
湿った環境でも使用可能
漏洩リスクが極めて低い
再発のリスクを大幅に抑制
器具はすべてディスポーザブル(使い捨て)

自費治療では、使用する器具をすべてディスポーザブル(使い捨て)にすることで、感染リスクを極限まで抑えています。
これにより、どの患者さまにも清潔で安全な環境下での治療を提供できるよう徹底しています。
メリット
衛生面での不安が一切ない
感染対策が万全
他の患者さまとの器具の共用がない
写真付きレポートの提供
治療経過を患者さまにもご理解いただけるよう、各ステップごとに口腔内写真を撮影し、治療後にレポートとしてお渡ししています。
これにより、「どのような治療が行われたのか」が視覚的に分かるだけでなく、記録としても保管いただけます。
メリット
治療の透明性が高い
記録として残せる
ご家族への説明もしやすい
治療時間の違い
自費根管治療では、1回あたり90分の時間を確保し、少ない回数で治療を完了することを目指しています。
保険診療では1回45分程度の治療が一般的ですが、自費では1~2回で完了するケースが多く、再根管治療であっても最大3回以内で終了できるよう努めています。
前歯の単純なケースでは1回の治療で完了することもあります。
時間をしっかり確保し、集中して質の高い治療を行うため、回数も少なく、患者さまの負担が少ないのが特徴です。
保険治療:約45分/回、4〜6回通院
自費治療:約90分/回、1〜2回で完了(再根管治療も3回以内)
メリット
少ない通院回数で治療が完了
1回ごとの治療精度が高い
再発率を低く抑えられる
忙しい方にも適した治療スタイル
難症例にも対応
根管治療が困難な場合、以下のような外科的処置も視野に入れた治療が可能です。
歯根端切除術
根管治療では治癒が困難な根の先端の病巣を、歯ぐきを開いて外科的に除去する方法です。
再治療が難しい場合や、手前の根に病変がある場合に有効です。

ヘミセクション/トライセクション
複根歯(奥歯)において、一部の根だけが重度に感染している場合、その部分だけを分割して抜歯する方法です。
残せる歯を最大限活かし、ブリッジやインプラントの代替策となることもあります。

よくあるご質問(FAQ)
まとめ:根管治療で歯を守る選択を
前橋けやき歯科・矯正歯科では、患者さまの大切な歯を1本でも多く残すことを目標に、精密で丁寧な根管治療を提供しています。
「以前、根の治療をした歯がまた痛み出した」
「他院で抜歯と診断された」
保険診療から高度な自費診療まで、症状とご希望に合わせた最適な治療をご提案いたします。